いつもお世話になります。

シータスで声優ナレーションクラスのレッスン中に、中学生や高校生の受講生が遅刻して入って来ることがあります。
私にきちんと挨拶ができない時があります。そういうことが時々あります。
私はワザと小さい子に言うように 「なんて言うの?」 と言います。
そうすると 「お早うございます。」 と挨拶をしてくれます。
さて今度は、その受講生が挨拶をしたのに、先に来ている受講生たちが無反応(または微反応)です。
私は今度は全員に 「挨拶してはるで!なんて言うの!」 と言います。
挨拶など教えなくても当たり前にできると思っていました。間違いでした。
私は挨拶をすることを教えました。
田辺シータス教室は、カルチャーサロンシータスの3階で勉強しています。
シータスに入ったら、受付のかたが受講生に挨拶をして下さってると思いますが、その挨拶にきちんと挨拶を返していないのではと想像しました。
来た時も帰る時も、受付のかたにきちんと挨拶をするよう伝えました。
教えたので今後は出来ると思います。
受付のかた以外に、例えばお料理講座の先生がいらっしゃっても挨拶をするように伝えました。
これも教えたので出来るでしょう。
しかし、もしかしたらダンスの講座の先生もいらっしゃるかもしれません。ダンスの先生には挨拶は出来ないと思います。
これはまだ教えていません。
挨拶は人と人との最低限のコミュニケーションです。
演技の勉強をしていない人も挨拶をして下さい。
そして演技の勉強をしている人は特に挨拶をして下さい。普段の生活で人ときちんとコミュニケーションが取れないとすれば演技でも出来る筈がありません。
演技はコミュニケーションです。
挨拶の話でした。
日本人は物質的に満たされていると思います(実際は満たされていない人も多くいます)。
夏は涼しく冬は暖かい自分だけの部屋。誰かが用意してくれる美味しい食事。おやつ。車。スマホ。服。カバン。キリがありません。
満たされている人は満たされていない人以上に感謝をすると思っていましたが、そうでもないことに何年か前気づきました。満たされている人の多くは、それが当たり前になり些細なことで不平不満を言うようになります。他人からは十分満たされているとしか見えないのですが、本人にとっては 「当たり前」 なのですね。
「足るを知る」 ことができないようです。
感謝のできる人間になるには、自分以外の為に行動し、感謝してもらえるようになることです。
まふじ演技スタジオでは、レッスンの度に受講料を頂戴します。
「学生だから」 「教えて貰ってないから」 かも知れませんが、「宜しくお願い致します」 も何も言わず、机にお金を置く人がいます。
私はレッスンに来て勉強して下さり本当に有り難いので 「有り難うございます」 と言って受講料をいただきます。
プリントを私に渡す時も 「先生・・・」 としか言わない人もいます。片手で渡す人もいます。
足りないのは感謝や敬意だと思います。
「有り難い」 が無いのだと思います。
思っているのかもしれません。でも思っているなら態度・行動に現れる筈です。
演技と同じで、思っているなら形にしないと伝わりません。
ある小学生の生徒は、受講料を封筒に入れ、「真藤先生へ」 と書き、両手で私に渡してくれます。「今日も宜しくお願い致します」 と言ってくれます。
きっとお家のかたが教えたのだと思います。
親に教えて貰って無いと言い訳をしないで下さい。学校で習っていないと言い訳をしないで下さい。自分の頭で考えて下さい。人生の全てを親や学校の先生が教えてくれる訳ではありません。
誰かに何かを渡すときは両手で渡しましょう。(形)
月謝を渡す時には 「宜しくお願いします」 と言いましょう。(形)
その本質は、相手に感謝し、相手を自分同様大切にすることです。(形の元になる考え)
先日シータスのレッスンの時に、
「教えている私に感謝して下さい。」 と受講生に伝えました。
自分の口から 「自分に感謝しろ」 と言うことは少々言いにくいです。
私は偉くありませんし。
でもそれを伝える必要があると思いました。伝えるべきだと思いました。
世間の指導者や学校の先生は誠実に一所懸命、生徒を伸ばすことをすれば良いと思います。
そして指導を受ける側は感謝だけをすれば良いと思います。
不平不満を思いつく余裕が無いほど感謝すれば良いと思います。
私は、「まふじ演技スタジオ」 に習いに来てくれて本当に感謝しています。他の何かに遣っても良い、時間とお金を私に遣ってくれるのです。受講生がいなければ私は演技指導ができません。感謝しないとバチが当たります。ですから人生全てを掛けて演技指導をします。
教える方も習う方も感謝していれば、とても気持ちの良い教室になると思います。
感謝ができるようになると、それは忍耐力となって自分を助けます。より頑張れる人になります。
「有名な声優になりたい」 など自分の満足の為だけの勉強では、ちょっと上手くいかなくなった時にやめてしまいがちですが、指導者や一緒に勉強している仲間、そして何よりも応援してくれる家族に感謝があれば、 「もう少し頑張ろう」 と粘ることができるかもしれません。
私自身、冬の寒い朝に起きて大阪から田辺に向かう事を考えると、何度もやめようと思いました。ダメな人間なのでしょう。今でも思っています。それでも結果的に続けられているのは、演技のレッスンを楽しみにしてくれている受講生やお部屋を貸して下さるシータス、色んな時に助けて下さる紀南の皆さん、大阪から応援してくれる旦那さんへの感謝があるからです。 「もう少し、あと一年頑張ろう」 と自分のお尻を叩いています。
感謝ができるようになると技術や表現力が急速に伸びます。そんなオマケも付いてきます。
感謝についてでした。
レッスンはシータスの3階のホールで13時から行っています。有り難いことに受講生は最近12時ぐらいに来て3階のラボ(小さいお部屋)でお喋りをしたりテレビモニターで演技の勉強として映画やドキュメントを見たりしてくれています。
シータスのラボは、「受講生の勉強に必要なので」 と私がシータスにお願いして使わせていただいております。ラボのテレビモニターも 「受講生の勉強に必要なので」 とお願いして置かせていただいております。シータスのご厚意に甘えております。有り難うございます。
シータスが私を助けて下さっていることで、私は受講生の皆さんに良い指導ができています。
そういうことを想像するのはむつかしいと思います。ですから具体的に話をしました。詳しく細かく話をしました。
「シータスが助けて下さってるんですよ」 と言うような一般論的な言い方では 「何となく」 しか理解できないと思います。ですから詳しく話しました。少し分かっていただけたかもしれません。
ちょうど当日マイクスタンドを立てる勉強をしました。簡単な作業では無かったと思います。
マイクスタンドを立てる、そしてたたむことを実際にしていただき、「いつもこの作業を私がしている」 と伝えました。
今までマイクスタンドを立てている人のことを気に留めたことなど無いかもしれません。マイクスタンドを立ててくれている人に感謝したことなどないかもしれません。
でも実際に自分が行ったことで、その大変さが分かります。
マイクスタンドを立てることを経験し、大変な作業と理解したら、テ−ブルをセッティングするのも大変かもと想像できるようになります。教材を作ることも大変かもと想像できるようになります。
経験が想像力を産み、感謝につながります。つながって欲しいと思っています。
個人レッスンを受けて下さっている、ある生徒は、私が促すまで席に着きません。椅子に座らないで傍らに立っています。また私が立って何かの説明を始めたら、自分も立って私の話を聞きます。
私は 「座って座って」 と言います。
先生が立って授業をして下さってるのに教えて貰っている自分が座っていてはいけないという考えなのだと思います。偉いいいいぃぃぃ!!!
こういう人はやっぱり伸びます。どんどん伸びます。有り難いです。
感謝をして下さい。
想像して下さい。
考える人であって下さい。
きちんとした人であって下さい。
演技の勉強をするうえで、演技の勉強よりも大切なことについて考えて下さい。